乳製品の取り入れ方の目安と進め方

乳製品が並べてある写真離乳食の食材
離乳食の食材

離乳食を進めるにあたって、牛乳などの乳製品をいつから離乳食に使っていいのか疑問に思われるお父さん、お母さん方も多いと思います。

乳製品は、料理に入れるとコクや旨味を足したり、カルシウムの補給もできます。

しかし、牛乳は卵に次いでアレルギーの多い食品です。

段階を踏んで慎重に乳製品を離乳食に取り入れていきましょう。

今回の記事では、乳製品を離乳食に取り入れる時期や、方法などをご紹介します。

乳製品は段階を踏んで取り入れましょう

ひまわり畑の中にある牛乳の写真

牛乳にはカゼインというタンパク質や、乳糖という糖を含みます。

通常、カゼインや乳糖は体に悪いものではありませんが、人によってはアレルギー症状を引き起こしたり、下痢を起こす原因物質となります。

離乳食に乳製品を取り入れる際には、カゼインや乳糖の量が少ない乳製品から始めましょう。

乳製品ごとの進め方とポイント

カットされたバターの写真

良く使用する乳製品の離乳食に取り入れる時期の目安と、取り入れる際のポイントをご紹介します。

いずれの食品も初めて食べる際は、何かあったときにすぐに病院に行けるように小児科の開いている時間帯にごく少量を与えるようにして下さい。

1.バター

離乳食初期(目安:6ヶ月頃)から使用できます。1g程度から使用するようにして下さい。

バターの油は生乳から作られていて、消化しやすい油です。また、離乳食にコクが出て、味に変化を付けることも出来るので、ぜひ使用してほしい食品のひとつです。

2.ヨーグルト

無糖のものを離乳食中期(目安:7~8ヶ月頃)から使用できます。

市販のベビー用のヨーグルト(加糖)は9ヶ月以降の使用をおすすめします。甘さに慣れてしまうと、甘いものを欲しがって、通常の離乳食を食べなくなる恐れがあります。

水切りヨーグルトにすると酸味が抑えられて、食べやすくなります。

3.チーズ

プロセスチーズの粉チーズを離乳食中期(目安:7~8ヶ月頃)から使用できます。

使用するチーズは塩分の少ないもので、プロセスチーズを選んで下さい。

プロセスチーズは加熱処理をしているため、発酵が止まっていますが、ナチュラルチーズは発酵が進んでいて、乳酸菌などの菌も活発なので、赤ちゃんの腸には刺激が強すぎます。

赤ちゃんがナチュラルチーズを食べると、下痢などを引き起こすこともありますので、離乳食にチーズを使用する際には、プロセスチーズであることを確認するようにして下さい。

(チーズの商品にはプロセスチーズかナチュラルチーズかを表記する必要があるので、表記を確認することで判断できます)

ただし、ナチュラルチーズの中でも、カッテージチーズは発酵が弱く、塩味が少ないので、離乳食中期から与えることが出来ます。

4.牛乳

牛乳は11ヶ月頃から使用できます。最初は料理に加熱した牛乳を少量加えて与えて下さい。

牛乳は良質なタンパク質、脂肪をバランスよく含み、適度にカロリーを摂取することも出来る理想的な食品です。

幼少期には継続的に摂ることが望ましいので、1歳前後から牛乳に慣れておく必要があります。

牛乳は大量に摂取すると、鉄分の吸収を妨げる可能性があります。
1歳頃から飲みはじめ、1歳半の時には300~400㎖までを目安にしましょう。

乳製品アレルギーがある場合の代用食品

丸いざる中にあるしらす干しの写真

乳製品にアレルギーがある場合、カルシウム不足が念されます。

牛乳アレルギーの子どものカルシウムの摂取量は、アレルギーではない子どもの半分程度しかないと言われています。

カルシウムは健康な体を作るために必要不可欠な栄養素です。
不足しているカルシウムは他の食品で補うようにしましょう。

参考:牛乳・乳製品|アナフィラキシーってなあに.jp|マイランEPD 合同会社

カルシウムが豊富な食品

離乳食に使用できる食品で、カルシウムが豊富な食品例を下記に記載します。

食品名離乳食期詳細
しらす離乳食初期
(6ヶ月以降)
丸ごと食べられるのでカルシウムが豊富です。
塩分が強いので、お湯で塩抜きして使用して下さい。
小松菜離乳食初期カルシウムが豊富な野菜です。
初期は緑の葉の部分のみを使用しましょう。
納豆離乳食中期大豆製品にもカルシウムが多く含まれています。
納豆は腸内環境を整える効果も期待できます。
いりこ
煮干し
離乳食後期おだしとして使用する以外にも、骨ごと粉末にしたものをふりかけとして使用するのもおすすめです。

離乳食の開始時期を遅らせてもアレルギー予防にはならない

卵と小麦粉と軽量スプーンの写真

体が発達してから牛乳など、アレルギーになりやすい食品を与えればアレルギー予防になるという話をよく耳にしますが、それは何の根拠もありません。

むしろ、離乳食で様々な食品を与えておいた方が、アレルギーのリスクが減るという研究結果が出ています。

自己判断で離乳食の開始時期を遅らせるのはやめましょう。

アトピーや卵アレルギーなどを持っていて、他の食品でもアレルギーが心配される場合は、かかりつけの医師に相談して離乳食を進めると安心です。

参考:離乳食について|滋賀県ホームページ

体の発達に合った乳製品の与え方が大切です

離乳食を食べてご満悦の赤ちゃんの写真

生まれたばかりの赤ちゃんは消化機能が未発達です。
成長に伴って消化酵素を作り出すようになるため、消化機能の成長に合わせて乳製品を上手に取り入れる必要があります。

離乳食で乳製品を全く与えずに、1歳過ぎて加熱していない牛乳を与えることはアレルギー症状が出やすくなる危険性があります。練習もしていないのに急に試合に出るようなものです。

バター、ヨーグルト、チーズ、牛乳というように、順に赤ちゃんの体を乳製品に慣らしてあげて下さい。

冒頭でもお話ししたように、牛乳は卵に次いでアレルギーの多い食品です。

初めて赤ちゃんに牛乳などの乳製品を与える場合は、少量から、加熱したものを、病院の開いている時間帯に与えるようにして下さい。

記事監修

三好恵子

管理栄養士資格取得後、自治体の職員向け健康管理業務を担い、特定保健指導に従事する。半年で10kg減量者を多数輩出。その後は子育てを経て、行政の臨時管理栄養士として約3年、離乳食教室や乳幼児健診等で指導を行う。

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