離乳食はベビーフードだけでもOK?進め方と注意点

人参を使ったベビーフードの写真活用法
活用法

離乳食には、手作りで作る場合と市販のベビーフードを活用する方法があります。

「最初は手作り離乳食で頑張がんばっていたけど、最近ベビーフードばかり与えてしまう」
「職場復帰の準備をするためにレトルトをメインに使いたいけど、栄養が偏らないか心配」

など、赤ちゃんを市販のベビーフードのみで育てることに悩む保護者の方は少なくありません。

ベビーフードは、特に仕事をしていて時間がなかったり、もともと料理が苦手で離乳食を作ることに苦痛に感じたり、という方にとっては便利な食品です。

結論から言うと、ベビーフードのみで育てても大丈夫ですが、赤ちゃんが大きくなるにつれて栄養・発達面で影響がでる場合があります。

この記事では、体の発達と栄養面に与える影響、ベビーフードだけで育てるときの進め方と注意点をご紹介します。

事情があり市販のベビーフードのみで育てている方や、離乳食のメイン食材としてレトルト商品を使おうと考えている方は、注意点も理解した上で上手に活用しましょう。

体の発達と栄養面に与える影響

離乳食を食べている赤ちゃんの写真

ベビーフードだけで育てることは問題ありませんが、赤ちゃんが成長するにしたがって、体の発達に沿っていなかったり、成長に必要な栄養素が不足してくる場合があります。

ここでは、市販のベビーフードのみで育てる場合の2つの影響をお伝えします。

噛かむ力が育たない

赤ちゃんにレトルト離乳食ばかり与えると、食材が柔らかすぎて噛まずに飲み込むことが多くなり、結果としてあごが発達せず噛む力が育ちにくくなります。

対応月齢が表記されている商品でも、市販品は業務用の圧力鍋などで大量製造するため形は保たれますが、柔らかく仕上がります。

市販品のベビーフードを使う時には、自宅で作ったある程度硬さを残した野菜を加えるなど、赤ちゃんが噛ませるようにする工夫が必要です。

4つの栄養素が不足しがちに

鉄分、亜鉛、カルシウム、ビタミンDは赤ちゃんに不足しやすい栄養素です。

市販されているベビーフードは大量・一度に商品を作るため、どうしても細かい栄養バランスの調整が難しく不足しがちな栄養素が出てきやすくなります。

市販のベビーフードを使う場合は、赤ちゃんの成長に足りない栄養素をほかの食品で補うことが大切です。

栄養素を補給できるアレンジ離乳食が理想

離乳食3種類のおかゆの写真

おすすめの利用方法は、レトルト食品をメインにひと手間加えてアレンジ離乳食を作ることです。

たとえば、以下のアレンジ方法があります。

  • 野菜が足りない → レトルト離乳食に湯がいた野菜を入れる
  • タンパク質が足りない → ベビーフードに豆腐をプラス
  • 手作りおかゆに市販のベビーフードを足す
  • お肉や魚のメインは調理して、レトルト離乳食をソースとして使う

ひと手間加えてあげることで、きちんと栄養素も摂れる立派な離乳食になります。

まるごと離乳食シリーズは、国産素材をそのまま粉末にした、離乳食づくりをお手伝いする商品です。
粉末なので、加熱などは不要。そのまま離乳食に振りかけるだけで、栄養を追加出来ます。

ベビーフードのみで育てる場合の進め方と注意点

3種類の瓶のベビーフードの写真

手作り離乳食では、月齢に合わせた献立や食材の硬さなどを考えて進めていきますが、ベビーフードのみで離乳食を進める場合は、食材の種類を増やす方法と栄養のバランスに注意して進めて行く必要があります。

初期(5~6ヶ月頃)の進め方

手作りの場合は、ヨーグルト状の10倍がゆを食べさせます。

市販のベビーフードも同様に柔らかい状態のものを赤ちゃんに食べさせますが、離乳食開始2週間くらいはおかゆを手作りすることをおすすめします

ベビーフードのおかゆには、かつお節エキスなどの「タンパク質」が入っています。

タンパク質の消化酵素は、離乳食を開始して徐々に出てきます。
4週間も経てば豆腐などタンパク質を取り入れられるのですが、初めの2週間は対応が難しい赤ちゃんもいます。

安心・安全を考えると、おかゆだけは2週間手作りをおすすめします。

パウチや小瓶に入っている商品もありますが、お湯で溶かして使う粉末タイプの商品も便利です。

赤ちゃんにとっては初めての”食べる”体験なので、様子を見ながら1さじずつ与えていきます。

慣れてきたら、じゃがいもや人参などの野菜パウダーや裏ごしされたフリーズドライのほうれん草などほかの食材にも慣れさせていきましょう。

初期は食べる量が少ないので、小分けになっているものや少量だけ使えるものがおすすめです。

まるごとおやさいはこちら

中期(7~8ヶ月頃)の進め方

赤ちゃんが徐々に離乳食に慣れてきた頃です。

少しずつ食べられる食材が増えてくるので、おかゆやうどんなどの穀類と魚や肉などのタンパク質がセットになったものが良いでしょう。

鉄分が不足してくる時期なので、鉄分も意識しつつ栄養バランスを考えながら栄養を追加してあげましょう。

まるごと鶏レバーはこちら

後期(9~11ヶ月頃)の進め方

食べ物をだんだん歯で噛み切れるようになります。

中期よりも食材のバリエーションが広がり、食べられるレトルト離乳食も豊かになっていきます。

赤ちゃんの体が急速に発達し、鉄分だけではなく、亜鉛、カルシウム、ビタミンDなどの栄養素も不足しやすくなります。

特にカルシウムは骨の成長に不可欠で、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進してくれます。

お魚のパウダーがあるとカルシウムとビタミンDが効率よく摂れ、いろいろなレトルト離乳食にも追加しやすくて便利です。

まるごと青魚はこちら

また、赤ちゃんの丸のみが始まるのもこの時期です。

レトルト離乳食の具材が柔らかすぎて丸のみする場合には、噛む必要のある大きめの野菜をプラスしたり、硬めにでた野菜を加えたりして工夫しましょう。

完了期(1歳~1歳6ヶ月頃)の進め方

1歳頃になると、エネルギーや栄養のほとんどを離乳食から摂れるようになります。

食べる食材の量や種類も増えるので、1つのレトルト離乳食だけで栄養を補うことが難しくなってきます。

そのため複数のレトルトを組み合わせるか、手作り離乳食も加えてボリュームをだすようにしていきましょう。

手作り離乳食を徐々に増やして、レトルトを使う回数を少しずつ減らしていくと、さらにベストです。

参考:小児科ママが教える「離乳食は作らなくてもいいんです」 工藤紀子著

【使い方の注意】一度開封したものは使わない

Noと書いたプラカードをもつペンギンのぬいぐるみの写真

衛生面から考えると、赤ちゃんに一度開封し時間が経ったレトルト離乳食を与えるのは止めましょう。

開封したレトルト食品をそのままにしておくと、雑菌が繁殖はんしょくしてしまいます。

一度開けたら必ず使い切り、冷蔵庫にレトルト離乳食を保管などせず、もし残った場合は捨てる方が安心です。

商品によっては賞味期限が書かれていますが、開封後は雑菌の繁殖の可能性もあり食中毒などの危険性もいなめないので、もったいないからと取っておくことは止めましょう。

レトルト離乳食の注意点も知って上手に活用しよう

歯固め用のおしゃぶりを噛んでいる赤ちゃんの写真
  • 離乳食はベビーフードのみでも基本的には大丈夫
  • ベビーフードだけでは、噛む力が育ちにくい、栄養素が不足しがちになる
  • 市販のベビーフードを使ったアレンジ離乳食が理想
  • 食材の種類を増やして栄養のバランスに注意して進める

ベビーフードは便利な商品です。
ベビーフードだけで育てる影響を理解した上で使うと離乳食を助けてくれる頼もしい味方になります。

ただ、柔らかい食材ばかりを食べさせると赤ちゃんの口がミルクを飲むとんがった形のままで、食べ物を噛める形に成長しません。

しっかりと噛む力を育てることも離乳食の大事な役目です。

大事なのは、赤ちゃんの成長に合わせてレトルト離乳食にひと工夫し、上手に組み合わせあげることです。

市販のベビーフードを状況に合わせて上手く使い分け、子育てに活かしてみて下さいね。

まるごと離乳食シリーズは、国産素材をそのまま粉末にした、離乳食づくりをお手伝いする商品です。
粉末なので、加熱などは不要。そのまま離乳食に振りかけるだけで、栄養を追加出来ます。

記事監修

三好恵子

管理栄養士資格取得後、自治体の職員向け健康管理業務を担い、特定保健指導に従事する。半年で10kg減量者を多数輩出。その後は子育てを経て、行政の臨時管理栄養士として約3年、離乳食教室や乳幼児健診等で指導を行う。

タイトルとURLをコピーしました