「離乳食が食べ進まないのはなぜ?」とお悩みではありませんか?
せっかく手間暇かけて作った離乳食を食べてくれないと、悲しくなってしまいますよね。
結論から言えば、離乳食の形や量、赤ちゃん自身の状態などにより食べない場合が多いです。
赤ちゃんの成長や発達に合った離乳食にする、赤ちゃんの状態をよく観察することで解決の糸口になります。
この記事では、離乳食を食べてくれない理由や対策について栄養士が解説します。
各段階ごとの理由や対策も、しっかり解説していますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
赤ちゃんは離乳食を食べてくれない
すべての時期に共通して食べない理由は、大きく分けると4つです。
順番に説明していきます。
お腹が空いていない
離乳食の時間にお腹が空いていないために食べない場合があります。
大人でもお腹が空いたタイミングでないと食べ進みませんよね。
空腹は最高のスパイスです。
赤ちゃんのお腹が空くよう、よく遊ばせたり、母乳やミルクの量を調整してみましょう。
お腹が空けば、離乳食を食べてくれる可能性が高まりますよ。
離乳食に慣れていない
離乳食に慣れていないのも原因の1つです。
特に離乳食の段階を上げた直後はまだ形に慣れておらず、進まない場合も多くあります。
形に慣れない場合は、今までの形に少し寄せてあげましょう。
たとえば離乳食後期でサイコロ状の人参を少しだけつぶしてあげると、歯茎でつぶしやすくなります。
少しだけつぶした形に慣れたら、本来の形にしていけば大丈夫です。
離乳食の量が多い
離乳食の量が多いと食べ進まない場合があります。
毎回食べ残すようなら、赤ちゃんにとっては多いのかもしれません。
もちろん、赤ちゃんも体調や気分によって食べムラがあります。
食べ残しが一時的な様子なら、量は変えなくてもよいでしょう。
離乳食に集中できていない
離乳食に集中できていないと、食べ進みが悪くなることもあります。
周りの環境が大きく影響しているのです。
たとえば以下の原因が考えられます。
- テレビがついている
- おもちゃが視界に入る場所にある
- テーブルやイスの高さが適切でない
- 食べにくい食器を使っている
離乳食を食べるときの環境を見直すだけで、食べるスピードや量が変わる場合もありますよ。
離乳食初期(生後5~6ヶ月頃)に食べてくれないときの対策
離乳食初期で食べてくれないときは、スプーンや食べる姿勢を変えると食べてくれるようになる場合があります。
離乳食初期は、初めてミルク以外の食べ物を食べ始める時期です。
まだ「食事」というよりも、「食べる練習」の意味合いが強い時期になります。
口に入ってきたものを飲み込む動作しかできません。
初めてペーストの食材を食べるのですから、うまく食べられないのは当たり前と考えて大丈夫です。
離乳食を始める前の段階としてスプーンで白湯やミルクをあげてみるとスプーンにも慣れてくれます。
また、ミルクをあげる時間は4時間くらい空けるようにすると空腹感がでてきます。
量が食べられないようなら、手軽に離乳食の質を上げられる食材のパウダーを活用するのもよい手段です。
食材のパウダーを活用したレシピはこちらから見られます。
離乳食中期(生後7~8ヶ月頃)に食べてくれないときの対策
離乳食中期で食べてくれないときは、食材を小さめにして固さを豆腐くらいにする対策をとるとよいです。
離乳食中期はサイコロ状に切った食材を煮て、粒が少し残るくらいのつぶし具合にしましょう。
舌と上あごでつぶせるようになるからです。
葉物類など繊維の多い野菜は、完成後にきれいに洗ったはさみなどで細かく切ると食べやすくなります。
味付けはせず、野菜を煮たときに出るだしや赤ちゃんだしを使って素材の味を活かしましょう。
離乳食中期でもミルクがメインなので、食事が十分に食べられなくても心配しなくて大丈夫ですよ。
まだ食べられる食材が限られていて、メニューがマンネリ化しやすい時期です。
バリエーションを増やしたい方へ向けてレシピもご紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
離乳食後期(生後9~11ヶ月頃)に食べてくれないときの対策
離乳食後期で食べ進みがよくない場合は、以下の対策をしてみましょう。
- 食材の固さをバナナくらいにする
- 中期から移行したばかりのときは少しだけつぶす
- つかみ食べできる人参スティックなどをあげてみる
- 少量の味付けをする
- スプーンに離乳食をのせ、目の前に置いてみる
離乳食後期は形状はサイコロ状、バナナくらいの固さにします。
歯ぐきの上に運んで噛みつぶせるようになるからです。
食材が固いと、噛めなくて口から出してしまうこともあります。
親指と小指で食材を挟み、簡単につぶれれば適した固さです。
いままでだしによる味付けが中心でしたが、食べ進まないようならしょうゆやみそで気持ち程度の味付けをしてみましょう。
味付けの参考はこちらをご覧ください。
また、自我も芽生えてくる時期でもあります。
自分で食べたい意志がみられたら、手づかみで食べられる野菜スティックやパンを用意してみましょう。
スプーンに離乳食をのせ、小皿とともに目の前に置いてあげれば掴んで口へ運ぶお子さんもいますよ。
離乳食後期では食べられる食材や使える調味料が増え、料理の幅も広がります。
赤ちゃんの味覚が大きく発達する時期でもあります。
食べられる食材を増やせば味覚の発達につながるので、レシピを参考に味覚の幅を広げてみてくださいね。
離乳食完了期(生後12~18ヶ月頃)に食べてくれないときの対策
離乳食完了期で食べてくれないときは、以下を試してみてください。
- 固くて食べられないようなら元の形状に戻す
- 大人が味見して物足りないくらいの味付けにする
- 肉団子くらいの固さにする
- 好みが出てくる時期と割り切って下膳する
- 離乳食の量ではなく質を上げる
- 炒め物や茹で物の野菜は柔らかめに
1歳前後から好みが出てくるので、食べムラが出やすい時期です。
料理としては、大人とほぼ同じものが食べられるようになります。
味付けは大人の1/3量が目安です。
固さは肉団子くらいを目安にします。
固さが気になって口から出してしまう場合も多くあります。
それでも食べない場合は、自我の芽生えと割り切って離乳食を下膳してしまって構いません。
無理強いはお子さんにとっても嫌な記憶になりますし、離乳食をあげる側もストレスになってしまうことが多いです。
もしくは、量を抑えて食事の質を上げ、必要な栄養素を摂っていく方法もあります。
離乳食の質を上げるレシピはこちらです。
まとめ
ミルクしか飲めていなかった状態から、多様な食材を噛んで食べられるようになるまでにはたくさん練習が必要です。
特に離乳食初期や離乳食中期はミルクが主な栄養源なので、うまく食べられず量が目安量より少なくても心配する必要はありません。
お腹が空くリズムをつけられれば、食べられる量も増えていきますよ。
離乳食は4期に分かれていますが、特に移行した直後は形状に慣れないので元の形状に戻しましょう。
徐々に移行後の形状にするとよいです。
栄養を摂ってほしくて完食させたい気持ちは、とてもよく分かります。
しかし無理強いは禁物です。
量が食べられないようなら無理せず離乳食の質を高め、必要な栄養が摂れるよう工夫してみてくださいね。
参考
記事監修
三好恵子
管理栄養士資格取得後、自治体の職員向け健康管理業務を担い、特定保健指導に従事する。半年で10kg減量者を多数輩出。その後は子育てを経て、行政の臨時管理栄養士として約3年、離乳食教室や乳幼児健診等で指導を行う。
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