離乳食で噛む力を育てるための食べさせ方

スプーンを噛む赤ちゃんの写真活用法
活用法

離乳食を進めるにあたって、いつからおかゆを硬くしたらいいの?いつまでドロドロの野菜をあげなきゃいけないの?という疑問にぶつかると思います。

離乳食の形状や硬さは、赤ちゃんの発達に大きな役割を担います。

今回は赤ちゃんのむ力を育てるための離乳食の進め方についてご紹介します。

掲載している内容は一部合同会社ニワトコ発行の子どもノートを参考にしています

基本赤ちゃんの反応を見ながら進めること、月齢は目安

手をあげる赤ちゃんの写真

離乳食の本や、自治体からもらった資料などを見て、月齢ごとの離乳食の形状や硬さを確認すると思いますが、離乳食の月齢ごとの形状はあくまで目安だということを覚えておいて下さい。

赤ちゃんによって体重や歯の生え方、発達の仕方はそれぞれです。

「7ヶ月になったからすりおろしの野菜じゃなくて、角切りの野菜を与えよう」ではなく、赤ちゃんの飲みこむ様子やスピードを見ながら離乳食を進めて下さい。

離乳食は赤ちゃんの生涯の噛む力を育てる大事な時期です

むということは、虫歯の予防、歯並び、味覚や脳の発達に大きく影響します。

離乳食は赤ちゃんの噛む力を鍛える最初の一歩です。

最初はドロドロの状態の食べ物から与え、段々大きい歯ごたえのある食べ物を与えて噛む力を育てます。

赤ちゃんの発達状態に合った形状の離乳食を与えてあげることが噛む力を育てる大事な要素となります。

お父さん、お母さんは赤ちゃんの様子をよく観察しながら、離乳食の形状を工夫して、噛む力を育ててあげて下さい。

噛む力の発達と食材の形状と硬さの基本

赤ちゃんにベビーフードを与えているお母さんの写真

赤ちゃんの噛む力と、それに合った食材の形状についてご説明します。
記載している月齢はあくまで目安ですので、赤ちゃんの噛んでいる様子や、飲みこむ様子を観察して、お父さんやお母さんが離乳食の形状を調整して下さい。

初期(5~6ヶ月頃)

どの食材でも水分が多めのドロドロの状態にして、まずは離乳食を飲みこむことに慣れさせてあげて下さい。

まだ口の筋肉が発達しておらず、舌は前後にしか動きません。
離乳食を始めて口周りの筋肉が発達してくると三角形の形をしていた口が、次第に口角が上がって水平になります。

中期(7~8ヶ月頃)

食材をベタベタ状(初期より水分少な目)にして、舌と上あごでつぶせる柔らかさにして下さい。

赤ちゃんの舌の筋肉が発達して、舌の上下運動ができるようになります。
舌と上あごで離乳食をつぶしてもぐもぐさせて食べることが出来るようになります。

後期(9~11ヶ月頃)

食材はバナナくらいの柔らかさを目安にして、刻んで与えて下さい。

つかみ食べができるようであれば、前歯を使った掴み食べも積極的にさせてあげて下さい。
赤ちゃんが一口で食べる適量を学習します。

この頃になると、赤ちゃんは歯茎はぐきで離乳食を押しつぶして食べられるようになります。
舌の左右運動も出来るようになります。

完了期(1歳~1歳6ヶ月頃)

食材は歯茎で噛める硬さのものを与えてください。後期よりも大きめに刻んで与えてください。

赤ちゃんは歯で噛み砕いて食べられるようになります。口角も上がり、口の形は水平からU字の形に移行します。

参考:かむ力を育てる乳幼児の食事|千葉県

赤ちゃんが食材を丸のみしている場合の対処法

離乳食中期の離乳食が3つ並んだ写真

離乳食を食べている様子を観察すると、赤ちゃんが離乳食を噛まずに丸のみしている場合があります。

丸のみはのどに詰まらせたり、消化不良の原因になります。早めに対処するようにして下さい。

食材を大きくする

食材が小さいと赤ちゃんが噛む必要ないと判断して、噛まずに飲み込む場合があります。

細かく刻んだ食材ではなく、少し大きめに刻んだ食材を与えてみて下さい。

赤ちゃんが噛まないと飲み込めないと判断して食材を噛むようになります。

注意点

ブドウやミニトマトなどの丸くてツルンとしたものは、のどの奥に滑り込んで誤嚥ごえんを引き起こす場合もあります。

ブドウなどの丸い形状の食べ物を丸ごと与えるのは避けましょう。

食材を硬めにする

食材が柔らかすぎる場合も、噛む必要なしと赤ちゃんが判断して丸のみしてしまう可能性があります。

ご飯を少し硬めに炊く、でる時間を短くするなどして硬さの調整をして下さい。

市販のベビーフードは業務用の圧力鍋などを使用するため、柔らかく仕上がります。
ベビーフードを与える際には、刻んだ野菜を混ぜるなどすると硬さが増して、赤ちゃんが噛むようになります。

あらかじめ茹でて刻んだ野菜を冷凍保存しておくと便利です。

赤ちゃんに声をかける

まだ言葉は分かりませんが、声掛けすることはとても大事です。

「カミカミしようね~」「もぐもぐごっくんするんだよ~」など、お父さんやお母さんが常に声かけすることで赤ちゃんも噛むことが必要なことだと覚えます。

一緒に噛む真似をして見せてもいいかもしれません。

与えるスピードを赤ちゃんに合わせる

赤ちゃんの口の中身が無くなる前に、次の食べ物を口の前に差し出してしまうと、赤ちゃんは早く口の中の物を飲みこまなきゃ!とよく噛まずにのみ込んでしまいます。

時間の無いときなどついつい「早く食べて」と思ってしまうかもしれませんが、赤ちゃんの口の中の物が無くなったのを確認してから次の食べ物を与えるようにして下さい。

保護者/大人は焦らないことが大切

赤ちゃんを抱くお母さんの写真

他の赤ちゃんと比べて、離乳食の進みが遅いと焦ることもあると思います。

赤ちゃんの体重・身長が他の子と違うように、発達の度合いも赤ちゃんによって様々です。

保護者/大人は他の赤ちゃんと比べて、自分の子は離乳食の進行具合が違うなと焦ったりせずに、赤ちゃん自身の様子をよく見て、離乳食の形状や硬さを調整し、赤ちゃんの噛む力を育ててあげることがとても大切です。

離乳食の本やネットでの情報はあくまで目安であることを心に留めておいて下さい。

記事監修

三好恵子

管理栄養士資格取得後、自治体の職員向け健康管理業務を担い、特定保健指導に従事する。半年で10kg減量者を多数輩出。その後は子育てを経て、行政の臨時管理栄養士として約3年、離乳食教室や乳幼児健診等で指導を行う。

タイトルとURLをコピーしました